先週お洋服を買った。
私にしては珍しい事なのだ。
普段着るものも、衣装のOLものも、
たいてい貰ってきちゃうからなのだけど・・・。
母や親戚のオバサマ達や、先輩達からのお下がりなのだ。
「買ったけど着れない」とか、「1回着たけど似合わない」とか、
「50過ぎたから、もう着れない」で、私のところに回ってくる・・・。
私の買った服は、近所のショーウィンドウに飾ってあったものだった。
可愛い色の合わせで「欲しいなぁ」と思った。
でも、普段着れるような服ではなく、ステージでないとちょっと・・・。
それでも何回かその前を通るうちに、やっぱり欲しくって、寄ってみた。
そんなに安いお店ではないので、覚悟していたのだけれど、
思っていた値段の三分の一位だった。
「買おうかなぁ」と、思ったのだけど、
「どのステージで着るのか?そこでこの衣装はペイできるのか?」
と考えたら、ちょっと、ペイは出来そうになかった。
「9号だから、ちょっときついし」と、自分に言い聞かせて店を出た。
欲しい衣装を、欲しいからといって買ってるとキリがないのだ。
諦めた次の週に、その服がショーウィンドウから消えていた。
「あの服、誰かが買ったんだ・・・」と何となく寂しい気持ちになった。
私は背が高い割りに肩幅が狭いので、9号でも下に着なければいけたのだ。
ニットで伸びたのだし・・・。
何か今の私に合う衣装だった気がするし・・・。
若作り過ぎるけど、舞台ならそんな事関係ないし・・・。
ウダウダしながらお店を覗くと、奥のほうに他の服と一緒にまとめられていた・・・。
バーゲンなのだな・・・。
ニットの派手なお洋服たちは、売れ残ってバーゲンに出されるのだ・・・。
「売れ残ったのだ・・・」不思議な感謝の気持ちで一旦家に帰る。
「ここまで残ったのだから、この近所の人は、もう買わないだろう」と思った。
そして、いよいよバーゲンの当日。
店員さんは、以前とは違う人だった。
まだ仕度ができてない様だったけど、不意に入ったようにして、
目的のお洋服の所に何気なく寄った・・・。
残っていた。
小さくガッツポーズだった。
初めてのように試着してみると、やっぱり、今の私の顔に合っていた。
店頭に「50パーセント引き」と書いてあった。
「バーゲンで少し安くなるのですか?」と聞いてみた。
まだ、値札が替えてなかったのだ。
店員さんが私を見て値踏みするように「それは○○円です」と言った。
「それじゃ50パーセント引きじゃないくて、30パーセント引きだろ!」っと、
胸の中で思ったのだけど・・・正札の値段でも買う気だったし、
向こうもお仕事なのだから、ニッコリして買ってしまった。
そんな経緯で私のもとにやってきたお洋服・・・。
着てみると、やっぱりライブでしか着れない感じだった・・・。
甥っ子姪っ子の服とかは、ガンガン買ってしまうのだけど、
自分の服は中々買えない・・・貧乏性なのだ・・・。
それでも、一着のお洋服の事で、ワクワクドキドキしてしまったのだ・・・。
どのステージで着ようかも考えて、楽しい。
派手な服を着ても咎められないお仕事してて良かった~!
スセリは、こういうお洋服は羨ましくないようです・・・。
「コントの衣装で持ってるじょ~!」
か、悲しいね・・・。