これは2015年6月15日の舞台写真。
ちょうど一年前くらい。
N響の齋藤真知亜さんと私がコント&ミニコンサートをして、
永さんがクラシック談義をしてくださるというライブ
「クラシックの夕べVol.7」。
この日は冒頭にトークをバッチリなさって、万雷の拍手の中、カッコよくお帰りになった。
勢いあって凄かった。
私が驚いているような顔なのは、きっと、的を射たご指摘で唖然だったのだろう。
ずっとそんなことの連続だったような気もする。
この頃は、間際にご来場、冒頭にお話しなさってそのまま帰る、というスタイルが定番に。
体力の消耗を少なくするためだ。
「クラシックの夕べ」がはじまったのはもう何年も前になる。
永さんに
「N響の第一ヴァイオリンの人と二人でコントと歌のライブをします」とお伝えしたら、
「あなたクラシックの意味って知ってる?」と唐突な切り替えし。
「古典ということですか?」と私がお答えすると、
「古典って、ただ古い、ってことじゃない。良いものだから残って古典になるんです」と。
「へ~」と感心しきりな私。
「そういうことを知っていてN響とするのかと思ってたけど」
「いえ、せっかく知り合ったので、何か一緒にできないかと思って」
「あなたとN響の関係を繋げないとお客が楽しめないでしょ」
ここまでお話して、(ああ、永さん、このライブに出演したいのだな)と気が付き、
「永さん、ご出演いただけないですか?」と申し上げた。
すると大きなため息を一つついて
「昔、作詞家やってたんだけど…」とジョークを交えながら
音楽のウンチクをたっぷりと。
私は永さんのお話が好きなので、ずっと楽しく聞かせていただきながら、
(「引き受けましょう」とおっしゃる代わりに打ち合わせが始まっているのだな)
と思っていた。
案の定「こんな話を柱に」とおっしゃるので、「ありがとうございます」とお礼申し上げると、
「帰ります」と席を立つ永さん。
その背中を(きっと、当日は今の話とは違う話をなさるのだろうな)
と期待半分、不安半分で見送った。
案の定・・・。
この打ち合わせも、当日のリハーサルも、本番では全く違う流れになっていった・・・。
刺激的な時間だった。
でも人間、なかなか外圧でしか変れない。
永さんのおかげで何回も脱皮できた。
何回も何回もバリバリとビリビリと、公衆の面前でバリバリビリビリ・・・。
あれは今思うと充実した日々だったのかな・・・。
今では自分で破ろうと四苦八苦の日々でありまする。