国立に行ってきました。
幼稚園から中学一年まで8年間住んでいた街です。
スルメで、ザリガニをとって遊んだ神社にも、行ってきました。
暗くなりかけの夕方、街を一時間半くらいウロウロ歩き回って、
胸いっぱいの気持ちでした。
街は、畑も空き地も無くなり、マンションが所狭しと、建っていました。
それでも私が住んでいた団地は、滑り台やお砂場や立ち木まで
あの頃と同じでした。毎日遊んだ隣のグランドも、健在でした。
今は、他の人が代々住み替わっている407号室は明かりがついていて・・・
「あそこで住んでいたころは、お父さんが生きていたんだな・・・」
「お父さんとお母さんと、小学生の私と、ちっちゃかった弟と4人で住んでいたんだな・・・」
「私の一家は、あれから随分変わっちゃったけど、お家も遊具も立ち木も同じところにあるんだな」
と、不思議に迫るものがありました。
「ナーバスになっとるの~」
自分でも自分を不思議に思いつつ、こんな日はこんな日でいようと、
一人でちょっと泣いてみたりしました。
団地の公園は、暗くて誰もいなかったので、ナーバスごっこには、おあつらえ向きだったのです。
しばらく、メソメソした後は、本来の目的のもつ焼きを食べに、
待ち合わせの谷保駅に向かいました。
谷保駅のそばにある、Bというもつ焼きやさんが、今日のお目当てです。
「消防自動車がいるじょ~!火事だじょ~!」
駅前でウロウロしていたら、消防自動車が出ていて野次馬が大騒ぎしていました。
しばらく、騒動を眺めていると、開店前のお店から顔を出しているおじさんがいて、
ちょっと近寄ってみると、そこがモツ焼きのBでした。
「開店前だし、待ち合わせの人に連れてってもらった方がいいじょ~」
そして駅まで戻り、案内人のKさんと合流して、お店に行きました。
お店は、山口瞳さんの小説のモデルにもなったところでした。
モツ焼きや煮込みがおいしく、正当な飲み屋さんでした。
カウンターだけのお店で、四方山話をしているうちに、
あっという間に4時間が過ぎてしまいました。
「楽しかったじょ~」
「話し足りなかったじょ~」
「もっとおしゃべりしたかったじょ~」
足りないくらいで丁度いい、後ろ髪惹かれる気持ちは、
また次回の飲み会への原動力ですね。
弾き語りの大先輩、SさんFとさんにアルペジオを
教えてもらったりしながらの飲み会でした。
帰り際にSさんの作った、この店の歌がかかって、いい雰囲気でした。
Sさんの、もつ焼きの店Bを歌った歌は、Kさんの気合で録音して、FさんがCD化したものです。
その3人が、揃ってこの店のカウンターで、煙草吸いながらお銚子を傾けてる。
そこに、ドライフラワーになりかけではありますが、花として同席できて幸せでした。
「弾き語りを始めたお蔭で、思いがけなく仲間が増えてうれしいじょ~」
四谷Kに出入りするようになって、
スセリの人生はほのぼの温まりつつあります。
「Kさん感謝してるじょ~」