(時間が空いてしまいましたが、カテゴリの勝負事の続きです)
選手はトレーナー次第だ。
素材があり、いいトレーナーにつけば、ランキングのいいところまで行く。
癖があったり、集中力のないボクサーが、トレーナーの指導力で
二人もスルスルと、東洋太平洋チャンピオンになったのを見ている。
この間も、防衛した。
指導者に恵まれるというのは、出会いの運もあるし、相性もある。
日本チャンピオンになっても、そこから先の選手に育てられないトレーナーもいる。
選手は、見切りを付けて大きくしてくれる指導者の元に行くか、
今までの信頼感関係で留まり、そこで終わるかである。
「ジャブを覚えただけで日本チャンピオンになった」と言われてる、
辰吉丈一郎選手は天才だ。
ボクサーの魅力を全て持っている。
デビューから4戦目で日本チャンピオン。
8戦目で世界チャンピオンになった。
どんなトレーナーでも、何処のジムからでも、彼は世界チャンピオンになったと思う。
こんなスピードで獲得できたかは別だが・・・。
しかし、魅力のある試合を何戦もした後、網膜剥離になり、
ドクターストップになってしまった。
ノーガードで打たせていたせいもあるだろう。
過信もあるだろう。
周りも天才任せだっただろう。
天性の才能だけで上り詰めたが、その後は、指導が必要だった。
試合感や動体視力や相手を読める天性のものを、
上手く機能させる為に管理しなければいけない。
「名伯楽」と言われる指導者が何人もいる。
素晴らしい選手を育てた人たちだ。
勿論育たなかった選手もいるだろう。
元々「プロボクサーになろう」なんて人間は、扱いにくいタイプの人間だ。
サラッとした人生を送ってきてはいない。
それを、いう事をきかせて、厳しいトレーニングをさせて、
健康管理もさせるとなると至難の業だ。
新人王の予選トーナメントがもうすぐ始まるが、
刺青入れたり、刃物の傷があったりするようなボクサーもいる。
4回戦くらいは、喧嘩みたいなボクシングでも通用するので勝ち進んでいく。
しかし、勝ち進んで新人王に近くなると、不思議と礼儀正しくなり、
試合のマナーも良くなっていく。
新人王になった後、自分がトリのファイナルマッチをするようになると、
さらに、ボクシングの試合自体に責任感が生まれてくる。
「認められること」や「応援されること」で、育って行くのだと思う。
勿論、指導者の根気ある指導の賜物だと思う。
私達の世界も、やはり、指導者次第。
その点、今の私は、いいトレーナーに恵まれている。
選手としても、頑張り甲斐がある。
トレーナーに褒めて欲しくて頑張ってるようなとこもある。
お返しに、私は、今度は後輩にとっていいトレーナーにならねばならない。
そっちの方は、まだウロウロの新人だけど・・・。
それでも、私の舞台や台本を見て「私もスセリさんみたいになりたいです!」
なんてキラキラした目をして来る女の子達を見てると、胸を打たれる。
「この子達の為に何ができるか?」を考える。
「自分の限界を自分で決めないで、頑張れる時に、思いっきり頑張りなさい!」
と、指導している。
そして「キリのいいとこで、一度結婚して子供を産みなさい!」と・・・。
失敗した経験のある指導者の方が、いいアドバイスができるものなのだが、
若い子はギャグだと思って笑っている・・・。
本気で言ってるんだけど・・・。
「南象アザラシの みなぞう だじょ~!3トンもあるんだじょ~!」